これって何ゴミ?いろんな【液体の捨て方】プロが徹底解説!

賞味期限が切れてしまった調味料、使い終わった油、長い間取っておいたレトルトカレー…こういった「液体系」のゴミを捨てる時、「シンクにそのまま流しても平気?」「トイレに流せばいいって本当?」などいろんな疑問が浮かびますよね。

そこで不用品のプロである私たちが、捨て方がイマイチ分からないさまざまな「液体」の正しい処分方法を紹介します!
細かいルールはお住いの自治体によって異なります。処分の際は、必ず自治体のホームページなどで確認ください。

下水道に何でも流していいの?

下水道に、どんなものでも流していいわけではありません。台所・トイレ・お風呂などで使用した汚水は、全て下水道管を通り処理場できれいにされ、川や海に放流されます。家のどこで流しても行き着く先は同じですので、「トイレなら大丈夫」ということは決してありません

正しく下水道を使用しなければ排水管が詰まったり、臭いが発生するほか、処理しきれなかった汚水が川や海に放流され、環境汚染につながります。正しい下水道の使い方などは、お住いの自治体のホームページで紹介されているので、ぜひ参考にしてください。

【参考】 下水道は正しく使おう:福岡市

液体処理にあると便利なアイテム

下水道に流せない液体は、基本的に紙や布に吸収させ、袋などに入れ、漏れ出ないよう封をして処理します。
ご自宅に以下のアイテムを常備しておくと、液体処理に便利ですよ。

  • ・新聞紙
  • ・ペーパータオルやキッチンペーパー
  • ・古いタオルや布
  • ・ペットシートやオムツ
  • ・牛乳パック
  • ・ポリ袋
  • ・ガムテープ

牛乳パックは液体処分に欠かせない定番のアイテム。牛乳パックがなくても、二重にしたビニール袋を代わりに使っても大丈夫ですよ。捨てる量が多い場合は、ペットシーツやオムツなど吸水力が高いアイテムを使うのもおすすめです!

これらのアイテムがあれば、これから紹介する色んな液体も処分することができますよ!

液体調味料

醤油やみりんなど、大量に購入したはよいものの、使いきれずに賞味期限が切れてしまった…ということもありますよね。調味料なので「そのままシンクに流しても平気」と思う方もいるかと思いますが、それは間違いです。

調味料は塩分濃度が高かったり、油分なども含まれていることから、環境汚染のリスクが考えられます。その他にも、夏場であれば排水口に残った調味料が悪臭を放つ、ということも。

  • 【正しい捨て方】
  • ①二重にしたビニール袋、また牛乳パックに紙や布を敷き詰める。
  • ②液体調味料を注ぎ、染み込ませる。中身が漏れ出ないよう、テープでしっかりと封をする。
  • ③容器(ビン・ペットボトル)は水ですすいで乾かし、キャップと容器それぞれ素材に応じて処分。

ケチャップやマヨネーズ、ジャムなどドロっとした調味料も同様の方法で処理しましょう。自治体によっては容器も可燃ゴミとなり、そのまま捨てられることもあります。ぜひ確認してみてください。

食用油

食用油は当然のことながら、環境汚染・排水管の詰りの原因になりますので、下水道に流すのはやめてください。

  • 【正しい捨て方】
  • ①十分に冷まし、紙や布を敷き詰めた牛乳パックや二重にしたビニール袋に入れ、染み込ませる。
  • ②水も一緒に染み込ませ、自然発火を防止。封をしっかりとし、可燃ゴミとして処分。
  • ③容器を水ですすぐなどし、素材に応じて処分。

他にも100円ショップなどで手に入る油凝固剤や油吸収パッドを利用するのもよいでしょう。自治体によっては使用済みの食用油の回収をし、リサイクルを行っている場合がありますよ。

レトルト食品

瓶や缶に入ったレトルト食品であれば、必ず封を開け、中身を出して処分しましょう。容器が袋のタイプであっても「プラマーク」があるものは、「プラスチック製容器包装」といって分別が必要な自治体もあります。確実に正しく処分するなら、いずれの場合も中身を出して処分するのが良いです。

  • 【正しい捨て方】
  • ①二重にしたビニール袋に、新聞紙などを敷き詰め中身を移す。封をして可燃ゴミとして処分。
  • ②容器(ビン・缶・袋)は水ですすいで洗い、それぞれ素材に応じて処分。

賞味期限からかなり日が経っている場合、中身が腐敗している危険もあります。賞味期限切れのレトルト食品を開封する際は、床に新聞紙を敷く、お風呂場で作業などの飛散防止対策や換気を十分にしてください。

お酒

お酒は油のような固まる成分はないので、基本的にそのまま流しても問題ありません。ただし捨てる際は、未開封であっても必ず中身を出して捨ててくださいね。また大量のお酒を一度に流すと、アルコールの臭いで気分が悪くなることもあります。水と薄めて流す、換気を十分にする、小分けに捨てるなどしましょう。

  • 【正しい捨て方】
  • ①シンクに流すなどし、かならずお酒を容器から出す。
  • ②容器を水ですすいで洗い、それぞれ素材に応じて処分。

まだ賞味期限が残っているならお料理に使ったり、買取サービスの利用もいいですよ。お酒の種類によってはお掃除に活用できることもあります。捨てるだけでなく、ぜひ色んな活用方法を調べてみてください!

洗剤類

液体洗剤などは、少量であれば、水で薄めながら流せば問題ありません。ただし大量になる場合は、他の液体ゴミ同様、袋に入れるなどして可燃ゴミとして捨てましょう。

また注意すべきなのは、洗剤のパッケージに「混ぜるな危険」という表記があるものです。塩素系洗剤と酸性洗剤を混ぜると有毒なガスが発生することや、そのまま流せば配水管が痛む恐れもあります。処分するときは、必ず一種類ずつ袋を分け、処分しましょう。

  • 【正しい捨て方】
  • ①二重にしたビニール袋に紙や布を入れ、洗剤染み込ませ、封をして可燃ゴミとして処分。
  • ②容器は水ですすいで洗い、それぞれ素材に応じて処分。

マニキュア

一般的なマニキュアは、引火性が高い成分が入っているものが多く、そのまま捨てるのは危険です。また水に溶けにくいという特徴もあり、そのまま流すのは排水口の詰りの原因になる可能性もあります。

  • 【正しい捨て方】
  • ①紙や布に液体を染み込ませ、十分に乾かし、可燃ゴミとして処分。
  • ②カラになった容器・ハケは、素材に応じて処分。

中身の液体が固まっている場合は、マニキュアうすめ液などを使うと良いです。100円ショップにも売っていますよ。

シャンプー・コンディショナー

日々使っている程度のシャンプー・コンディショナーをお風呂に流す分には何ら問題はありません。ですが大量の原液となると、粘り気がある液体なので、髪や汚れと絡まり、詰りの原因になるので、そのまま流すのはNGです。

  • 【正しい捨て方】
  • ①二重にしたビニール袋に、新聞紙などを敷き詰め中身を移す。封をして可燃ゴミとして処分。
  • ②容器は水ですすいで洗い、それぞれ素材に応じて処分。

ハーバリウム

インテリアであるハーバリウムの中にある液体は、オイルです。ほとんどが燃えにくいオイルを使用しています。ですが詰まりや水質汚染に繋がりますので、そのまま流して捨てるのはNGです。

  • 【正しい捨て方】
  • ①二重にしたビニール袋、また牛乳パックに紙や布を敷き詰める。
  • ②オイルを注ぎ、染み込ませる。中身が漏れ出ないよう、テープしっかりと封をする。
  • ③容器は水ですすいで乾かし、素材に応じて処分。

成分や内容が分からない正体不明の液体

高齢の両親に代わり物置の片付けを行う際など、ラベルのない容器や中身が分からない液体が見つかるということもあります。ご本人も中身が何か忘れてしまっている場合は、非常に厄介ですよね。

中身が分からないものを開けたり、シンクにそのまま流すのは非常に危険です。まずは、お住いの自治体に相談してみるのが一番です。どう処分すべきか、アドバイスをくれるはずです。
あるいは不明液体類の処理をしている業者もありますので、そちらに問い合わせてみるのも良いでしょう。

  • 【正しい捨て方】
  • 自己判断で処理せず、自治体や専門業者に相談する

まとめ

液体の捨て方は、慣れていないことも多く、捨てるのに躊躇してしまったり、正しい捨て方だったのか分からず「なんだかモヤモヤしてしまう…」というもありますよね。今回ご紹介した捨て方を知り、「意外と簡単だ!」と思った方も多いはず。

きちんと分別すればエコにもつながり、お家も心もスッキリしていいですよね。ぜひ液体類を捨てる際は、本コラムを参考にしてみてください!